インターネット上では安価なシロアリ駆除の広告が目立ちます。
格安なシロアリ駆除を依頼するときには、注意する点があります。
今回は、料金が安いシロアリ駆除を検討するときに気を付けることをお教えします。

安価なシロアリ駆除で気を付ける5つのこと

中間マージンが発生していないか

ネット上では安い料金の広告が目立ちますが、安い広告を出している業者のほとんどが受付(取次)だけです。見積もりを依頼すると、地場のシロアリ駆除業者が見積もりに来て、工事の依頼も地場のシロアリ駆除業者と契約をします。この形態のシロアリ駆除の依頼では、工事業者が工事完了後に紹介手数料をネット広告を行っていた会社(WEB集客業者)に支払います。工事代金の30%~40パーセントが多く、広告の露出度やコールセンター型など規模が大きくなるほど手数料率も高くなる傾向があります。

何故、中間マージンが発生していないかに気をつけないといけないかというと、安価な料金で高い中間マージンが発生していると、シロアリ業者は採算がとれないからです。何故、採算がとれないのがいけないかというと、保証を行うのはシロアリ業者ですので、他に販路がなく採算のとれない仕事ばかりを請け負っている業者であればいずれ破綻してしまいます。また、経営に行き埋まり、自転車操業に陥った悪質な業者が不必要な商品を売りつけにくることがあります。

格安なシロアリ駆除の広告のブローカー業者を利用するリスクについて詳しくはこちらを参考にしてください。

実績と経験のある専門の業者か

安価な料金で行う業者の中には、専門でない業者もいます。WEB上で集客だけを行う仲介業者はシロアリ駆除の工事内容がわからないため専門外の業者がいることがあります。専門外でもホームセンターで薬剤を購入して、床下に薬剤を散布することで良しとすることができるからです。

WEB上の仲介業者の広告では「シロアリ対策協会の指定工法を採用」というPRをよく目にします。
素人でも指定工法を採用することはできますが、工法と駆除ができるかは別問題です。シロアリ駆除も予防工事も根拠となる知識と経験が必要です。また、しろあり防除施工士という資格がありますが、これは、シロアリに関する仕事をするに当たって最低限の知識を持っていることの目安となる資格です。根拠となる知識と被害現場の経験があって確実なシロアリ対策を行うことができます。

仲介業者のほとんどは、インターネットでの広告は得意でもシロアリ駆除の現場のことは全く知りません。
特にわかりにくいシロアリ駆除という業界においては、激安な仲介サイトの中には技術のないシロアリ駆除の業者も加盟していることがあります。特に、激安な料金広告でインターネット上の仲介業者から紹介された業者によるトラブルの相談が当サイトにも増えてます。

保証はあるか

専門でない業者は責任を逃れるために、安く工事をやる代わりに保証を付けない場合があります。
リフォーム中にシロアリの発生に気付き、専門外の業者さんが安くシロアリ駆除をしてくれたけど保証がなく、数年後、羽アリが発生をして専門の業者が後始末をすることはよくあることです。
(※構造によっては通常の施工ができないため保証ができないケースもあります。)

保証ができる業者か

保証書をもらってもシロアリ業者が廃業すれば保証書はただの紙切れになります。
採算性がとれない仕事ばかりの業者には気をつけなければいけません。

金額に見合ったアフターサービスか

安いのにアフターサービスが充実している場合は疑う必要があります。
特に、安くて中間マージンが発生しているのにアフターサービスが充実しているケースには注意が必要です。
安いのに毎年点検に来るという業者がいれば、その際の人件費、交通費はどうするのかを考えてみればわかります。

業者の規模は金額に見合っているか

シロアリ業者の料金相場に幅がある理由については別の記事で説明しましたが、料金に幅がある理由の1つに「業者の規模」があります。
業者の規模が大きくなるにつれて、会社の必要経費が増えるため、料金設定も高くする必要があるのです。

そこで、健全な営業を行っている業者か見極めるために、
金額に見合った業者の規模であるかについても注意しておくことをお勧めします。

例えば、WEB集客業者からシロアリ業者を紹介してもらい、
平米1200円の8万で工事をやりますというシロアリ業者がいたとします。

シロアリ業者は紹介手数料を引くと
実質的な売上は48000円です。

この中から、
調査見積もり時の人件費・交通費
工事の時の人件費・薬剤代・消耗品(養生・ドリル・機材)・車両費・交通費
を差し引いた金額から
事務員や事務所経費、営業マン、社長の給与などを捻出しなければいけません。

そして、残った利益をアフター経費や設備投資などの余力資金として内部留保しますが、
これだけ安いと、内部留保以前に事務員や事務所の経費も捻出できません。

そうなると、床下換気扇などの追加販売を行って利益を作るしかなくなります。
このように、業者の営業実態を見抜くために、料金と規模の関係に注目する方法があります。

まとめ

色々な注意点をお伝えしましたが、
業者を選ぶ時に注意することをまとめると、
「工事の品質(専門性)」「保証の実現性」「業者の社会性」があるかということです。

安かったけども結果的に高くついてしまったとならないように
これら3つの要点と料金とのバランスを考えてシロアリ業者を選ぶことをお勧めします。