シロアリ防除に用いられる薬剤の性質の特徴を大別すると、忌避剤と非忌避剤、脱皮阻害剤に分かれます。
シロアリ防除施工は薬剤の成分の特徴を理解して、対象物件の状況にあった処理を行う必要があります。

忌避剤

忌避剤を散布すると、シロアリが嫌がってその場所に近寄らなくなり、直接体に接触するとシロアリは死にます。但し、直接シロアリの体に触れないと死なないため、忌避剤に触れていない他のシロアリは、その場所を避けて別の道を作ります。
シロアリが嫌がってその場に近寄らなくなるという点で予防としては効果的です。
忌避剤で駆除を行う場合は、被害範囲を把握した上で特に細かな木材穿孔処理を行う必要があります

ピレスロイド系化合物

ビフェントリン:ピレス、アリピレス
ペルメトリン:低臭性サイゴー油剤
トラロメスリン:アクアアリゾール
プラレトリン:グレネードMC

非エステルピレスロイド系

エトフェンプロックス:エコロフェン油剤
シラフルオフェン:ネオターマイトキラー乳剤

カルバメート系

フェノルカルブ

非忌避剤

非忌避剤は、シロアリが薬剤の存在に気付かないタイプです。この性質に注目して、非忌避性のシロアリ防除薬剤は、遅行性と伝播性が工夫されていることがほとんどです。シロアリに気付かれないように忌避剤を散布しておき、家に近づいて薬剤成分に触れたシロアリは、すぐに死なずに仲間のシロアリまで成分を行き渡らせることが期待できます。
また、特に非忌避剤は、駆除において効果的です。忌避剤と比べると多数の木材穿孔を行わなくて良いので家を傷めずに済みます。
非忌避剤を用いた場合、うまくいけば、巣の女王・王アリにまで殺蟻成分が回り、巣ごと駆除できる可能性もありますが、効果が発揮できるまでの時間や成分の回り方によっては、生き残ったシロアリが警戒をして忌避する場合もあります。

ネオニコチノイド系

イミダクロプリド:ハチクサンME
クロチアニジン:タケロック
ジノテフラン:ミケブロック
チアメトキサム:オプティガード、ザモックス

フェニルピラゾール系

フィプロニル:アジェンダ

ピロール系

クロルフェナピル:ステルス

ヒドラジンカルボキサミド系

メタフルミゾン(コロニーバスター)

無機系

ホウ素系化合物

成長抑制剤

成長抑制剤は、シロアリの脱皮を阻害する成分のことでベイト剤、脱皮阻害剤とも呼ばれます。
ベイト工法と呼ばれるのが主流で、シロアリの通り道にシロアリが好んで食べる成分を含めた固形状の成長抑制剤を設置して駆除する際に用いらます。

ヘキサフルムロン・・セントリコン
スルフルラミド・・ファーストライン
クロフルアズロン・・エクステラ