シロアリ駆除の現場では、床下にバルサンなどの使用済みの燻煙剤があることがあります。お客様自身でシロアリを駆除しようとされたのでしょう。

インターネットで、自分でシロアリを駆除できるのかと調べていると
シロアリはゴキブリの仲間だから、煙で駆除できるという情報がありますが、

結論からお伝えすると、シロアリ駆除は煙ではできません。
加えて、お客様自身が燻煙剤を使用したシロアリ駆除の現場は、被害が大きい傾向があります。

燻煙剤の使用でシロアリ被害が大きくなる理由として

・自分でシロアリ駆除を行おうとする方は専門業者へ依頼するのが遅い傾向があり被害が進行した

・燻煙剤の使用によってシロアリが異常行動を起こして被害が広範囲に渡った

ということが考えられます。

この記事では、なぜ燻煙剤でシロアリの駆除ができないのか、を詳しくお伝えします。

なぜ燻煙剤ではシロアリの駆除ができないのか

煙ではなぜ、シロアリは駆除できないのでしょうか。

理由は、煙はシロアリが行き来している木材内部や壁の中に行きわたらないからです。
燻煙剤の多くは、即効性のピレスロイド系の殺虫成分であり煙が触れる空間に存在する害虫に対して有効です。
例えば、バルサンなどの燻煙剤にシロアリが直接触れると死にますが、浸透力はないため木材中や壁の中を行き来しているシロアリに対しては殺虫成分が行き届きません。

(木材の内部まで浸透して駆除ができる方法は酸化エチレンなどを成分としたガス燻蒸(被覆燻蒸)です。建築物のシロアリ被害の場合は、建物全体をシートを用いて包み込み入念に目張りをして施工する大がかりな方法です。)

シロアリは、数万頭以上の大家族で生活をしていますので、
すべてを駆除できなければ、食害は進んでしまい、警戒心の強いシロアリは、燻煙剤によって異常を察知して四方八方に移動して食害を拡げてしまうことがあります。

シロアリ用の燻煙剤とは?

インターネットにシロアリ用の燻煙剤が販売されていますが、
市販のシロアリ用の燻煙剤と謳われているものは、予防を目的としているようです。

https://item.rakuten.co.jp/kaiteki-elife/4932292000849/
例えば、上記のシロアリ用の燻煙剤は、ピレスロイド系のビフェントリンを成分としています。
多少の残効性があるため、床下からのシロアリの侵入の予防として販売されているようです。
燻煙剤が行き届く場所に対して、1~2年の効果があると説明されています。

DIYでシロアリ予防対策を考えている方は、1つの方法として考えられるのも良いかと思います。
(※但し、シロアリの侵入は床下からだけではないことも知っておきましょう。)